
父の決断
父母のデイサービスの入所が決まった。最後の難関だった父が「ここなら行ってみてもいいか」とOKを出してくれたのだ。そもそも父は団体行動が苦手で、特にデイサービスにありがちな皆で(折り紙)や(体操)をするレクリエーションをとても嫌がっていた。そして91歳にもなって周りの他人に気を遣いながら1日を過ごす事なんて億劫で仕方ないとも言っていた。分かる。お父さんの言ってる事はよく分かる。僕もそっち側の人間だから、、と心の中では肯定する。
父は歩けるようになるために1〜2時間くらいリハビリだけして帰りたいと言ってる。でもどうせ行くなら足だけでなく身体や脳や口のリハビリもしてもらいたい。母はアルツハイマーの診断が出ているし、父も脳梗塞に伴う認知症を発症(母ほどではないが)している。子供たちとしては日中は頭と体の体操をして心地よい疲労感を味わい夜はぐっすり寝てほしい。レクリエーションは心地よい疲労感というよりは気疲れの方とは思うけど。
もうひとつの問題
歩けない父と認知症の母のW介護は一日中ほぼつききっきりの状態になる。3きょうだいなので交代制にすれば負担は確かに減るが自分の時間は無くなる。例えば姉の場合、僕と妹の出勤と入れ替えに家に来て、夜どちらかが帰宅するまで家に居てくれる。姉の子供たちは独立して子育ての心配は無いが、自分の家の家事は後回しになり、旦那さんはほったらかし状態になってしまう。おかげで旦那さんの料理の腕は上がったらしい。
僕らが休みの日もそんな感じなのでほぼ自分達の時間が無い。ゲームをしたり、サブスクのドラマを連続鑑賞したり、一日中ゴロゴロ寝てたり、(家出てない 笑)今までしていた休日の過ごし方が出来なくなってしまった。
まぁ要介護の両親を自宅で介護するというのはそういう事だ。それは織り込み済みで介護同居を始めたが想像と実体はやはり違かった。甘く見ていた部分もあると思う。でもウチは3きょうだいでやってるのでまだマシな方だろう。ひとりで介護をしてる人は本当に大変だと思う。
男気に惚れた?
そういう諸々の理由もあり、可能ならば両親には日中デイサービスに行ってほしいと思っているが、嫌がっているのを無理矢理行かせるのはやはり抵抗がある。そんなジレンマを抱えた日々を過ごしていたが、ようやく見つかった。そこは3社目の施設見学だったが、決め手は館長の人柄だった。
「○○さん。レクリエーションやりたくなければやらなくていいよ。ウチは自分の好きなように過ごしていいから。でも歩けるようになりたいでしょ?だったら歩けるようになるためのトレーニングを目的に来ればいい」
ナイス館長
施設自体も父の望む少人数型で介護スタッフも感じの良い人ばかりだったらしいが、何より父はこの館長が気に入ったらしい。同行見学した姉もここが駄目ならもう行くとこないわと言ってたくらいだ。母も異論は無い。結果、父と母は週3回このデイサービスに通う事に決まった。